Excelの計算が劇的に速くなる!基本の算術系関数20選をやさしく解説

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Excelを使う上で欠かせないのが「計算系の関数」です。
売上の合計を出したり、平均値を求めたり、端数を処理したりと、日常業務でも頻繁に使われるこれらの関数を理解しておくと、作業の効率が一気に上がります。
本記事では、Excelの基本的な算術系(計算系)関数20種類を、初心者の方にもわかりやすく例付きで丁寧に解説します。
これを読めば、Excelの計算がぐっとラクになります。


SUM関数:数値の合計を求める

Excelで最もよく使われる関数が「SUM」です。
指定した範囲内の数値をすべて合計します。

構文:
=SUM(数値1, [数値2], ...)

使用例:
=SUM(A1:A5)
A1からA5の合計を求めます。

ポイント:

  • 数値が空白や文字列の場合は無視されます。
  • ショートカットとして「Alt + Shift + =」でもSUM関数を自動挿入できます。

AVERAGE関数:平均値を求める

平均値を求めたいときは「AVERAGE」関数を使います。

構文:
=AVERAGE(数値1, [数値2], ...)

使用例:
=AVERAGE(B1:B10)
B1からB10の平均を算出します。

ポイント:

  • 空白セルは無視されます。
  • 「0」は計算対象に含まれるため注意。

MEDIAN関数:中央値を求める

「中央値(メディアン)」とは、データを小さい順に並べたときの真ん中の値のことです。

構文:
=MEDIAN(数値1, [数値2], ...)

使用例:
=MEDIAN(C1:C7)
C1からC7の中央に位置する値を返します。

ポイント:

  • 外れ値がある場合に、平均よりも「代表値」として適切です。

MAX関数:最大値を求める

範囲の中で一番大きい値を求めるときに使います。

構文:
=MAX(数値1, [数値2], ...)

使用例:
=MAX(D1:D20)
D1からD20の中で最大の値を返します。

ポイント:

  • 数値以外のセルは無視されます。

MIN関数:最小値を求める

「MAX」と対になるのが「MIN」。最小値を求める関数です。

構文:
=MIN(数値1, [数値2], ...)

使用例:
=MIN(E1:E20)
E1からE20の中で最小値を返します。


COUNT関数:数値の個数を数える

範囲内で「数値が入力されているセルの数」を数えます。

構文:
=COUNT(値1, [値2], ...)

使用例:
=COUNT(F1:F10)

ポイント:

  • 文字列や空白セルはカウントされません。

COUNTA関数:空白以外のセルを数える

数値以外の文字や日付なども含めて「空白でないセルの数」を数えたいときに使います。

構文:
=COUNTA(値1, [値2], ...)

使用例:
=COUNTA(G1:G10)

ポイント:

  • 「空白セル」以外すべてを数えるので、コメントなどもカウントされます。

PRODUCT関数:掛け算の合計を求める

すべての数値を掛け合わせた結果を返します。

構文:
=PRODUCT(数値1, [数値2], ...)

使用例:
=PRODUCT(H1:H3)
H1×H2×H3 の結果を返します。

ポイント:

  • 「=H1H2H3」と同じ結果になります。

POWER関数:べき乗を計算する

指定した数値を「累乗」した値を求めます。

構文:
=POWER(数値, 指数)

使用例:
=POWER(2, 3)
2の3乗=8を返します。

ポイント:

  • =2^3 と書いても同じ結果になります。

ROUND関数:四捨五入する

小数点以下の桁数を指定して四捨五入します。

構文:
=ROUND(数値, 桁数)

使用例:
=ROUND(3.14159, 2)
→ 3.14

ポイント:

  • 桁数を「-1」にすると、10の位で四捨五入されます。

ROUNDUP関数:切り上げる

常に指定した桁で「切り上げ」します。

構文:
=ROUNDUP(数値, 桁数)

使用例:
=ROUNDUP(3.14159, 2)
→ 3.15

ポイント:

  • 常に大きい方向に切り上げられる点が特徴。

ROUNDDOWN関数:切り捨てる

ROUNDUPとは逆に、指定桁で「切り捨て」ます。

構文:
=ROUNDDOWN(数値, 桁数)

使用例:
=ROUNDDOWN(3.14159, 2)
→ 3.14

ポイント:

  • 負の数の場合も、絶対値の小さい方に切り捨てます。

CEILING関数:指定単位で切り上げる

指定した「倍数単位」で切り上げます。

構文:
=CEILING(数値, 意味のある倍数)

使用例:
=CEILING(123, 10)
→ 130(10の倍数で切り上げ)

ポイント:

  • 消費税などの端数処理でよく使われます。

FLOOR関数:指定単位で切り捨てる

CEILINGの反対で、指定倍数で切り捨てます。

構文:
=FLOOR(数値, 意味のある倍数)

使用例:
=FLOOR(123, 10)
→ 120


ABS関数:絶対値を求める

数値の符号を無視して「正の数」を返します。

構文:
=ABS(数値)

使用例:
=ABS(-10)
→ 10

ポイント:

  • 損益や差分の計算で、マイナスを避けたいときに便利。

SQRT関数:平方根(ルート)を求める

平方根(√)を求めます。

構文:
=SQRT(数値)

使用例:
=SQRT(16)
→ 4

ポイント:

  • 負の数を指定するとエラー(#NUM!)になります。

MOD関数:割り算の余りを求める

割り算の「余り」を返す関数です。

構文:
=MOD(数値, 除数)

使用例:
=MOD(10, 3)
→ 1(10 ÷ 3 の余り)

ポイント:

  • 奇数・偶数判定にも使えます。
    =MOD(A1,2)=0 なら偶数。

RAND関数:0~1の乱数を返す

0以上1未満のランダムな数値を生成します。

構文:
=RAND()

使用例:
=RAND()*100
→ 0〜100未満の乱数が得られます。

ポイント:

  • シートを再計算するたびに数値が変わります。

RANDBETWEEN関数:指定範囲内の乱数を返す

指定した範囲内の整数の乱数を生成します。

構文:
=RANDBETWEEN(最小値, 最大値)

使用例:
=RANDBETWEEN(1, 10)
→ 1〜10の整数の乱数を返します。

ポイント:

  • サンプルデータやくじ引きなどに便利です。

SIGN関数:符号を返す

数値が「正・負・0」かを判定する関数です。

構文:
=SIGN(数値)

使用例:
=SIGN(-5) → -1
=SIGN(0) → 0
=SIGN(5) → 1

ポイント:

  • 値の方向(プラス・マイナス)をロジックに活かせます。

まとめ

今回紹介した20個の関数は、Excelで計算を行ううえでの「基礎の基礎」です。

分類関数名主な用途
合計・平均SUM, AVERAGE, MEDIAN集計や分析の基本
最大・最小MAX, MINデータ範囲の確認
カウントCOUNT, COUNTAセル数の確認
計算PRODUCT, POWER乗算・べき乗
端数処理ROUND, ROUNDUP, ROUNDDOWN, CEILING, FLOOR小数点・金額処理
数値操作ABS, SQRT, MOD絶対値・平方根・余り計算
乱数・符号RAND, RANDBETWEEN, SIGNサンプル・判定処理

これらを組み合わせることで、複雑な集計表や自動計算シートも簡単に作成できます。
まずは「SUM」「AVERAGE」「ROUND」から慣れていき、徐々に応用関数を取り入れていくのがおすすめです。

Excelを自在に使いこなせば、日々の仕事のスピードが確実にアップします。

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