スマートフォンに保存している写真、動画、ドキュメント…。普段は便利なクラウドやローカル保存ですが、誰かに見られたくないファイルがあるなら、“隠す”だけでは不十分です。Androidの公式に近いファイル管理アプリ「Files by Google(ファイルズ・バイ・グーグル)」には、安心してプライベートなファイルを保護できる「安全なフォルダ」機能が搭載されています。本記事では、この安全なフォルダと「パスキー(パスコード・PIN)」の設定・使い方を徹底解説し、「これなら安心して使える」レベルまでご案内します。初心者の方でもわかるようステップごとに説明するので、ぜひデバイスのセキュリティを強化してください。
安全なフォルダとは何か?
「安全なフォルダ(Safe Folder)」という機能名を聞いたとき、まず疑問に思うのが「通常のフォルダと何が違うのか?」という点です。ここではその違いと、Filesアプリでこの機能が利用できる理由を解説します。
通常のフォルダとの違い
一般的なファイル管理でフォルダを作成し、データを入れていても、スマホを他人に渡したり、盗難・紛失したりした場合、ファイルそのものが見えてしまうリスクがあります。さらに、端末をリセットしたりクラウドにバックアップされたりすると、意図しない状況で露出してしまう可能性もあります。
一方、「安全なフォルダ」機能では:
- フォルダに入れたファイルを暗号化・ロックできる(PINもしくは生体認証で保護)
- ファイルをパスキー(PINまたはパスワード)なしで簡単に見られないようにする
- 必要に応じて即座に中身を隠すことができる
というように、単なる「誰かに見られたくないフォルダ」以上の保護レイヤーが加わります。
なぜFiles by Googleでこの機能が使える?
Files by Googleは、Googleが開発した公式に近いファイル管理アプリで、ストレージの空き容量確保やファイル整理、共有などに強みがあります。そんな中で「安全なフォルダ」機能を導入することで、日常使いのこのアプリ一つで“整理”と“保護”の両方が賄えます。つまり、別アプリを入れずに、手軽にファイルのセキュリティを強化できる点が大きなメリットです。
パスキー(PIN/パスワード)の設定方法
安全なフォルダを使い始めるには、まずパスキーを設定する必要があります。ここでは、Android端末上でFilesアプリを用いて設定する手順を、わかりやすく紹介します。
ステップ1:Filesアプリを起動
Google Playストアから「Files by Google」をインストールしていない場合はインストールし、起動します。すでに入っていれば、最新バージョンにアップデートしておくと安心です。
ステップ2:「安全なフォルダ」を開く
アプリのメニューや画面内に「安全なフォルダ」という項目が表示されているので、それをタップします。初回起動時は「設定を開始」などの案内が出ます。
ステップ3:パスキー(PINまたはパスワード)を作成
- 「PINを作成」もしくは「パスワードを作成」の選択肢が表示されることが多いです。
- PINは数字4〜6桁程度、パスワードは英数字を組み合わせたものが望ましいです。
- 同時に「生体認証を使用する(指紋・顔認証)」オプションも出る場合がありますので、対応端末ならONにしておくと、パス入力を省略できて便利です。
- 作成後、確認のためにもう一度入力を求められます。
ステップ4:フォルダの場所と容量について確認
安全なフォルダは通常、端末内の安全領域に作られ、選んだファイルをそこに移動させることで保護されます。移動前に「このフォルダに入れたファイルは他のアプリでは見えなくなります」などの注意書きが出るならしっかり確認しましょう。
安全なフォルダの使い方・ファイルの移動方法
パスキー設定後、実際にファイルを安全なフォルダに移動したり管理したりする方法をみていきます。
ファイルを安全なフォルダに移動する
- Filesアプリ内で「ファイル」タブや「参照」タブから、移動したいファイル(写真、動画、ドキュメントなど)を探します。
- 該当ファイルを長押しして複数選択できるモードにします。
- メニューから「移動」または「安全なフォルダに移動」という操作を選びます。
- 移動先として「安全なフォルダ」を指定し、作成したパスキーを入力して確定します。
- 移動が完了すると、元の場所からファイルは削除され、安全なフォルダ内にのみ表示されます。
フォルダ内ファイルの閲覧・編集・削除
- 安全なフォルダを開く際には、必ず設定したパスキー(または生体認証)で認証が必要です。
- 認証後、フォルダ内のファイルを閲覧、コピー、移動、削除できます。
- ただし、「コピーして他の場所に出す」操作は慎重に。セキュリティ目的なら移動だけで済ませ、不要なコピーを残さないようにしましょう。
- フォルダからファイルを「一般のフォルダに戻す」ことも可能ですが、戻す際にも再認証が求められ、元に戻した後の保護は他のフォルダに依存します。
注意点:バックアップと同期
安全なフォルダのファイルは、通常のクラウドバックアップや他アプリのアクセス対象外になることがあります。つまり:
- 端末を紛失・破損した場合、バックアップがなければファイルを復旧できない可能性があります。
- 逆に、知らないうちにクラウドに同期されてしまい「安全」と言いながら漏れてしまうリスクも考慮。
→ 必要に応じて、安全なフォルダに入れる前にクラウド上にエクスポートしておくか、最小限のファイルにとどめることをおすすめします。
パスキーを忘れた・再設定したい場合の対処法
いつも使っているパスキーをうっかり忘れてしまった…そんな時のために備えておきたい対処法もご紹介します。
パスキーを忘れた場合
- 最初に、生体認証(指紋・顔認証)を設定していれば、それを使ってフォルダを開ける可能性があります。
- それでもアクセスできない場合、多くのアプリでは「リセット」機能があり、PINをリセットするためにGoogleアカウントや端末の認証が必要になります。
- ただし、フォルダをリセットすると中に保存されていたファイルがすべて消える場合もあるため、重要なデータは別途バックアップを取っておくことが賢明です。
パスキーを再設定する手順
- Filesアプリを起動 → 安全なフォルダを開く(可能なら旧パスキーで開く)
- フォルダの設定メニュー(歯車アイコンなど)をタップ
- 「パスキーの変更」または「PIN/パスワードの再設定」を選択
- 新しいPIN・パスワードを登録し、再度生体認証を有効にするなら設定
- 完了後、旧パスキーでログインできないことを確認しておきましょう。
まとめ
「Files by Google」の安全なフォルダ機能とパスキー設定は、スマホ内のプライバシーを手軽に強化する優れた選択肢です。PINやパスワード、生体認証といった保護レイヤーを自分に合った形で選び、定期的なバックアップや整理、OS/アプリの更新と併せて運用することで、安心感がぐっと高まります。
「いつもスマホを持ち歩く」「家族と端末を共有している」「仕事でもプライベートでもスマホにデータを入れておく」…そんな方ほど、この機能の価値を実感できるはずです。ぜひ本記事を参考に、安全なフォルダの設定と活用を進めてみてください。安心・安全なスマホライフが、きっと手に入ります。


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