ビジネスの現場では、取引先との打ち合わせや商談のために「電話でアポイントを取る」場面がよくあります。
しかし、いざ電話をかけるとなると「どう切り出せばいいかわからない」「相手が忙しそうで緊張する」と悩む方も多いのではないでしょうか。
本記事では、アポ取りの基本マナーから、実際に使える電話の例文までをわかりやすく解説します。
初めての方でも安心して使えるフレーズを紹介しますので、営業職や接客業、採用・取材などでアポイントを取る必要がある方は、ぜひ参考にしてください。
アポ取り電話の基本マナーを押さえよう
電話でのアポ取りは、第一印象がすべてと言っても過言ではありません。
相手の時間をいただく行為であるため、礼儀正しく・簡潔に・目的を明確に伝えることが重要です。
基本マナーのポイント
- 相手の都合を最優先にする
「今お時間よろしいでしょうか?」の一言を必ず入れましょう。
忙しい時間帯(始業直後・昼休み前・終業間際)は避けるのが理想です。 - 目的をすぐに伝える
挨拶のあとに「本日は〇〇の件でお電話いたしました」と要件を明確にします。 - 結論を先に話す
ダラダラ説明せず、「〇日にお時間をいただけますか?」と要点から伝えましょう。 - 感謝を忘れない
電話を切る前に「お忙しい中ありがとうございました」と感謝の言葉を添えると印象が良くなります。
アポ取り電話の流れをつかもう
電話でのアポ取りは、流れを覚えておくとスムーズです。以下の5ステップを意識しましょう。
- 名乗りと挨拶
→「いつもお世話になっております。株式会社〇〇の△△と申します。」 - 相手の都合を確認
→「今、お時間よろしいでしょうか?」 - 目的を伝える
→「〇〇の件でご連絡させていただきました。」 - 具体的な日時の提案
→「〇月〇日または〇日にお時間をいただけますでしょうか?」 - お礼と締めの言葉
→「本日はお忙しいところありがとうございました。当日よろしくお願いいたします。」
この流れを覚えておくだけで、自然で丁寧な電話対応ができるようになります。
初めての取引先へのアポ取り電話の例文
初めての相手に電話をする際は、特に丁寧な言葉づかいを意識しましょう。
相手に安心感を与え、信頼される第一印象を作ることが目的です。
例文:
「お世話になっております。株式会社〇〇の△△と申します。
突然のお電話で失礼いたします。
実は、貴社の〇〇サービスについてお話を伺いたく、ご挨拶も兼ねて一度お時間を頂戴できればと思いましてご連絡いたしました。
〇月〇日または〇日などでご都合のよい日時はございますでしょうか?
ご多忙のところ恐縮ですが、ご検討のほどよろしくお願いいたします。」
ポイント:
・「突然のお電話で失礼いたします」で、相手の負担を和らげる
・「ご挨拶も兼ねて」と伝えることで、営業色をやわらげる
・日程を提案して相手の返答を促す
既存顧客へのアポ取り電話の例文
既に関係がある相手には、信頼関係を前提とした柔らかいトーンで話すと良いでしょう。
例文:
「いつもお世話になっております。株式会社〇〇の△△です。
先日ご案内した〇〇の件で、詳細をご説明させていただきたくお電話いたしました。
今週か来週あたりでお時間をいただけそうな日程はございますか?
ご都合の良いお日にちを教えていただけますと幸いです。」
ポイント:
・「いつもお世話になっております」で信頼関係を再確認
・「ご都合の良いお日にちを教えていただけますと幸いです」で、相手に選択肢を与える
予約を取る際の電話例文(飲食・サービス業など)
お店や施設で予約を取る場合も、ビジネスマナーと同じく「目的・日時・人数」を明確に伝えることが大切です。
例文:
「お電話ありがとうございます。〇〇レストラン様でしょうか。
来週の〇日、19時から2名で予約をお願いしたいのですが、空き状況はいかがでしょうか?
名前は△△です。よろしくお願いいたします。」
ポイント:
・まず店名を確認する
・希望日時と人数を先に伝える
・予約内容を確認してから名前を伝える
キャンセル・変更を伝える時の例文
やむを得ず予約を変更・キャンセルする際も、誠意を持って対応しましょう。
例文(変更の場合):
「お世話になっております。先日〇日に予約しました△△と申します。
申し訳ございませんが、都合により日時を変更させていただきたくお電話いたしました。
別の日の〇日で空きはございますでしょうか?」
例文(キャンセルの場合):
「お世話になっております。〇日に予約しておりました△△です。
都合により今回の予約をキャンセルさせていただきたくお電話いたしました。
ご迷惑をおかけして申し訳ございません。」
ポイント:
・必ず名前と予約日を伝える
・「申し訳ございません」「ご迷惑をおかけします」を添える
電話アポ取りで避けたいNGフレーズ
丁寧に話しているつもりでも、印象を悪くしてしまう言葉があります。以下のような表現は避けましょう。
| NGフレーズ | 理由 | 改善例 |
|---|---|---|
| 「ちょっとお時間いいですか?」 | カジュアルすぎて失礼 | 「今お時間よろしいでしょうか?」 |
| 「〜してもらっていいですか?」 | 命令調に聞こえる | 「〜していただけますでしょうか?」 |
| 「多分大丈夫です」 | 不確かな印象を与える | 「確認のうえ改めてご連絡いたします」 |
| 「〜の件なんですけど」 | ビジネスでは砕けすぎ | 「〜の件についてご連絡いたしました」 |
ポイント:
敬語は「丁寧に」「はっきり」「確実に」伝えることを意識しましょう。
アポ取りがうまくいくコツ
- 事前準備をする
相手の会社・担当者・目的を整理してから電話することで、会話がスムーズになります。 - 話すスピードを意識する
早口は緊張や焦りを感じさせます。落ち着いて、ゆっくり話すのが基本です。 - メモを取りながら話す
相手の返答や日程を確実に記録しておきましょう。 - 笑声(えごえ)を意識する
電話では表情が見えません。声のトーンで明るさや誠実さを伝えます。
まとめ
電話でのアポ取りや予約は、ビジネスシーンでも日常でも欠かせないスキルです。
ポイントは、「礼儀正しく」「目的を明確に」「感謝を伝える」こと。
初めての相手でも、例文をもとに丁寧に対応すれば必ず良い印象を与えられます。
今回紹介したフレーズを自分の業種や状況に合わせてアレンジし、信頼を築けるアポイントメントを目指しましょう。


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