伝わる話し方の基本!SDS法(サンドイッチ法)の使い方と実践例をわかりやすく解説

例文
Group of diverse people having a business meeting
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プレゼンや会議、面接、スピーチなど、人前で話す機会があると「どう伝えれば分かりやすいのか」と悩む人は多いでしょう。
そんなときに役立つのが「SDS法(サンドイッチ法)」です。これは、ビジネスシーンや教育現場など、あらゆる場面で使われる定番の話し方の型で、相手に短時間で要点を伝えるための強力なフレームワークです。
この記事では、SDS法の意味や使い方、PREP法との違い、実践例まで、初心者でもすぐに活用できるように詳しく解説します。


SDS法(サンドイッチ法)とは?

SDS法とは、話を「要点(Summary)→詳細(Details)→再要約(Summary)」の順で構成する話し方の型です。
この順序の頭文字を取って「SDS」と呼ばれ、「サンドイッチ法」とも呼ばれます。

つまり、

  1. Summary(要点):最初に結論やテーマを伝える
  2. Details(詳細):次に理由や具体例を説明する
  3. Summary(再要約):最後にもう一度、結論を強調して締める

この流れによって、聞き手は最初に「何の話か」を理解し、中盤で「なぜそうなのか」を知り、最後に再確認することで、内容が頭に残りやすくなります。

サンドイッチ法と呼ばれる理由

SDS法は「要点→詳細→要点」という構造で、ちょうどパンに具材を挟んだサンドイッチのような形をしています。
最初と最後のパン(Summary)が話の骨格をつくり、その間の具(Details)が内容を充実させることで、全体がバランスよくまとまるのです。


SDS法が効果的な理由

SDS法は、特にビジネスや教育現場で重宝されています。
その理由は、次の3つにあります。

① 要点が最初に伝わるため、話が分かりやすい

人は、話を聞きながら「この話は何のこと?」と考えます。
SDS法では最初に結論を伝えるため、聞き手が内容の方向性を理解しやすくなり、集中して聞いてもらえるのです。

② 中盤で具体的な根拠を出すことで納得感が増す

要点だけでは説得力が足りません。
そこで「Details」の部分で、理由・データ・実例を挙げて説明します。これにより「なるほど」と理解が深まり、信頼されやすくなります。

③ 最後の再要約で記憶に残りやすい

人の記憶は「最初」と「最後」に聞いた内容が残りやすいと言われます(心理学でいう「初頭効果」と「終末効果」)。
SDS法では、最初と最後で同じ要点を繰り返すため、聞き手の記憶に残りやすく、印象に残る話し方になるのです。


SDS法の使い方:実践ステップ

SDS法を使うときは、次の3ステップを意識すると上手に構成できます。

ステップ①:最初に結論を伝える(Summary)

まず、聞き手に「何を話すのか」を明確に示します。
たとえばプレゼンの冒頭なら、次のように切り出します。

「本日は、新商品の販売戦略についてお話しします。」
「今回の報告では、業務改善によって生産性が20%向上した事例を紹介します。」

聞き手が「この話は何の話なのか」をすぐに理解できるよう、短く要点を伝えることが大切です。


ステップ②:次に具体的な内容を説明する(Details)

次に、結論を支えるデータ・理由・事例を挙げて説明します。
この部分が、話の「中身」になります。

「この改善の背景には、業務フローの見直しがあります。具体的には、…」
「お客様アンケートの結果、最も多かった要望は○○でした。それに応える形で、…」

この段階では「なぜそう言えるのか」「どんな根拠があるのか」を具体的に示すことで、説得力を高めましょう。


ステップ③:最後にもう一度結論を伝える(Summary)

最後に、再び結論を述べて話を締めます。
冒頭で伝えた内容を、短く、印象的に言い直すのがコツです。

「以上のように、業務フローの改善によって生産性を20%向上させることができました。」
「したがって、今後も同様の取り組みを他部署にも展開していきたいと考えています。」

「だから何が言いたいのか」を再確認してもらうことで、印象に残る話し方になります。


SDS法の具体例

では、実際のビジネスシーンでのSDS法の例をいくつか紹介します。

例①:プレゼンの場合

Summary(要点)
「当社の新サービスは、顧客対応時間を50%短縮することができます。」

Details(詳細)
「従来の対応では、顧客情報の確認に平均10分かかっていました。しかし新システムでは、AI検索により2分で情報を取得可能です。さらに、FAQ機能を自動化することで、回答精度も向上しました。」

Summary(再要約)
「つまり、新サービスの導入により、対応時間を半分に減らしつつ顧客満足度を高めることができます。」


例②:スピーチの場合

Summary
「失敗を恐れずに挑戦することが、成長の第一歩です。」

Details
「私自身、最初の営業時代に多くの失敗を経験しました。しかし、その都度振り返ることで改善点が見え、成果へとつながりました。挑戦しなければ、成功も失敗も得られません。」

Summary
「ですから、恐れずに行動することが、自分を成長させる最も確実な方法なのです。」


例③:面接の場合

Summary
「私の強みは、課題発見力と行動力です。」

Details
「前職では、顧客対応の中で共通する問題点を見つけ、チーム全体で改善策を提案しました。その結果、クレームが30%減少しました。」

Summary
「この経験を活かし、御社でも課題を主体的に解決していきたいと考えています。」


SDS法とPREP法の違い

よく混同されるのが「PREP法(Point, Reason, Example, Point)」です。
どちらも論理的に話をまとめるフレームワークですが、構成の意図が少し異なります。

比較項目SDS法PREP法
構成Summary → Details → SummaryPoint → Reason → Example → Point
主な目的短時間で印象を残す論理的に説得する
適した場面スピーチ、報告、挨拶プレゼン、面接、議論
特徴端的でわかりやすい理由づけが明確で説得力が高い

SDS法は、相手に「何を伝えたいか」を印象づけたいときに有効。
PREP法は、ロジカルに説明して納得してもらいたいときに使うと効果的です。


SDS法を使うときの注意点

SDS法はシンプルですが、使い方を間違えると効果が半減します。
次のポイントに気をつけましょう。

  1. 要点を長く話しすぎない
     最初のSummaryは短く、20~30秒程度でまとめましょう。長いと聞き手が飽きてしまいます。
  2. 詳細部分では「一貫性」を持たせる
     要点と関係のない話題を入れると、全体がぼやけます。主張を支える内容に絞ることが大切です。
  3. 最後のまとめで印象を残す
     締めのSummaryでは、ポジティブで前向きな言葉を使うと記憶に残ります。

まとめ

SDS法(サンドイッチ法)は、
「最初に結論→理由や事例→最後に再度結論」で構成する、最もシンプルで効果的な話し方のフレームワークです。

短時間で要点を伝えたいプレゼンやスピーチ、報告などに最適で、聞き手の理解度と記憶への残り方が大きく向上します。

最後にもう一度まとめると、SDS法のポイントは次の3つです。

  1. 最初にテーマや結論を明確に伝える
  2. 根拠や具体例で説得力を加える
  3. 最後にもう一度要点を繰り返す

「話が長い」「結論がわからない」と言われがちな人ほど、まずはこのSDS法を意識して話してみましょう。
たったこれだけで、あなたの説明力や印象は格段にアップします。

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