ビジネスの現場では、商品トラブルや対応ミス、納期遅延など、避けられないミスが発生することがあります。
そんなときに大切なのは、誠意をもってお客様に謝罪する姿勢です。特に電話での謝罪は、声のトーンや言葉遣い一つで印象が大きく変わります。
本記事では、「お客様への電話での謝罪」に焦点を当て、正しいマナーと気持ちが伝わる話し方、そして実際に使える例文を紹介します。
初めて謝罪電話をかける方も、クレーム対応に悩む方も、この記事を読めば自信をもって対応できるようになります。
お客様への電話での謝罪が重要な理由
メールや書面での謝罪も有効ですが、最も誠意が伝わりやすいのは「電話」です。
直接声を通じてお詫びの気持ちを伝えることで、相手に「誠実に対応している」と感じてもらいやすくなります。
特に以下のようなケースでは、電話による謝罪が適しています。
- 納期遅延や誤納など、すぐに対応が必要な場合
- 感情的なお客様へのフォローが必要な場合
- 会社の信頼に関わるトラブルが起きた場合
電話では「スピード」と「誠意」を両立させることができるため、迅速にお詫びの意を伝えることができるのです。
電話で謝罪する際の基本マナー
電話で謝罪する際には、話す内容以上に「言葉遣い」「声のトーン」「姿勢」が重要です。
基本的なマナーを押さえておくことで、相手に誠意が伝わりやすくなります。
1. 電話のタイミング
トラブルが判明したら、できるだけ早く連絡するのが鉄則です。
時間が経つほど相手の不満は大きくなるため、「報告・連絡・謝罪」は迅速に行うことが求められます。
2. 声のトーン
落ち着いたトーンで、ゆっくり、はっきりと話すことを意識しましょう。
焦ったり、早口になったりすると「誠実さ」が伝わりにくくなります。
3. 敬語の使い方
謝罪では「申し訳ございません」「お詫び申し上げます」など、丁寧な敬語を使います。
軽く聞こえる「すみません」や「ごめんなさい」は避けましょう。
4. 姿勢と態度
電話でも姿勢は相手に伝わります。
立って電話をすることで声が通り、自然と丁寧な話し方になります。
謝罪電話の基本構成
謝罪の電話は、以下の流れで構成するとスムーズです。
- 名乗りと状況確認
- 謝罪の言葉
- 原因の説明
- 今後の対応策
- 再度の謝罪と感謝
それぞれを詳しく見ていきましょう。
1. 名乗りと状況確認
「いつもお世話になっております。○○会社の△△でございます。」
「本日は、○○の件でお電話いたしました。」
まずは丁寧に名乗り、何の件で電話したのかを明確に伝えます。
2. 謝罪の言葉
「このたびは、当方の不手際によりご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。」
心からの謝罪を、最初にしっかり伝えます。
3. 原因の説明
「原因は○○であり、現在は社内で再発防止策を検討しております。」
事実を端的に伝え、言い訳がましくならないよう注意します。
4. 今後の対応策
「至急対応させていただき、○月○日までに再納品いたします。」
「以後このようなことがないよう、チェック体制を強化いたします。」
今後の対策を具体的に示すことで、信頼を取り戻すことができます。
5. 再度の謝罪と感謝
「重ねてお詫び申し上げます。貴重なご指摘をいただき、誠にありがとうございます。」
最後にもう一度謝罪を述べ、感謝の気持ちで締めくくるのが理想的です。
お客様への謝罪電話の例文5選
ここでは、実際のビジネスシーンで使える謝罪電話の例文を紹介します。
状況に応じて言葉を調整すれば、どんなケースにも応用できます。
例文1:納期遅延の場合
「いつもお世話になっております。○○株式会社の△△でございます。
このたびは、○○製品の納期が予定より遅れ、ご迷惑をおかけいたしました。
原因は、仕入れ先の部品調達の遅延によるものでございます。
現在はすでに入荷が完了しており、明日にはお届けできる見込みです。
以後このようなことがないよう、社内のスケジュール管理体制を見直してまいります。
誠に申し訳ございませんでした。」
例文2:誤配送の場合
「○○株式会社の△△でございます。
このたびは、弊社の手違いにより、別の商品をお届けしてしまい、誠に申し訳ございません。
すぐに正しい商品を本日中に再発送いたします。
お手元の商品は、こちらから回収に伺わせていただきます。
ご迷惑をおかけし、重ねてお詫び申し上げます。」
例文3:担当者の対応ミスの場合
「このたびは、弊社担当者の不適切な対応により、ご不快な思いをさせてしまい、大変申し訳ございません。
本人には厳重に注意を行い、再発防止のための教育を徹底いたします。
貴重なご意見をいただき、ありがとうございます。
今後とも何卒よろしくお願いいたします。」
例文4:請求金額の誤りの場合
「お電話ありがとうございます。○○会社の△△でございます。
このたびは、請求書に誤った金額を記載してしまい、ご迷惑をおかけしました。
正しい金額の請求書を本日中に再送いたします。
今後は二重チェック体制を整え、再発防止に努めてまいります。
誠に申し訳ございませんでした。」
例文5:クレーム対応後のお礼と再謝罪
「先日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。
改めて、当方の不手際によりご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。
今回の件を真摯に受け止め、社内全体で改善を進めております。
今後とも変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。」
謝罪電話でやってはいけないNG対応
誠意を伝えるためには、避けるべき言動もあります。
以下のNG例を覚えておきましょう。
- 「でも」「しかし」で言い訳をしない
- 相手の話を遮らない
- 感情的にならない
- 責任を他人に押し付けない
- 上から目線の言葉を使わない
お客様は「謝ってほしい」というよりも、「自分の気持ちを理解してほしい」と思っている場合が多いです。
相手の立場に寄り添うことが、何よりも大切です。
電話後のフォローも忘れずに
電話での謝罪を終えた後は、「書面」や「メール」で改めてお詫びを伝えるとより丁寧です。
内容を再確認してもらえるため、トラブルの再発防止や信頼回復につながります。
例文:
「本日はお電話にてお詫び申し上げましたが、改めて文面にて失礼いたします。
このたびは、弊社の不手際によりご迷惑をおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます。」
まとめ
お客様への謝罪電話は、ただ「謝る」だけでなく、誠意と責任感を示す大切な機会です。
大切なのは次の3つです。
- 迅速に対応すること
- 誠実な言葉と態度で話すこと
- 今後の改善策を明確に伝えること
電話の声からも気持ちは伝わります。
誠実に、丁寧に話すことで、信頼関係を取り戻すことができるでしょう。
謝罪の場面を「信頼を築くチャンス」と捉え、誠意をもって対応することが何より大切です。


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