エレベーターの乗り降り一つにも、ビジネスマナーは表れます。
「上司と一緒に乗るときはどこに立つのが正解?」「お客様を先に通すのはわかるけど、降りるときはどうすればいい?」と迷った経験はありませんか?
オフィスビルや取引先での移動時、エレベーターのマナーを正しく理解していると、自然とスマートで印象の良い対応ができます。
この記事では、ビジネスシーンで知っておくべきエレベーターの「乗る順番」「立ち位置」「操作の気配り」などをわかりやすく解説します。
日常のちょっとした行動で、信頼を得られる人になりましょう。
エレベーターのマナーが重要な理由
ビジネスの場では、エレベーターは単なる移動手段ではありません。
上司や取引先と同乗することで、その人の立ち居振る舞いや気配りが自然と見える「マナーのステージ」でもあります。
特に新入社員や若手社員にとっては、第一印象を左右するポイントの一つです。
たとえば、何気なく先に乗り込んでしまったり、扉の前をふさいだりすると、それだけで「気が利かない」「配慮が足りない」と見られてしまうこともあります。
逆に、自然に操作パネルの前に立ってボタンを押したり、降りる順番をスマートに譲ったりすることで「しっかりしている」「安心して任せられる」と好印象を与えられます。
つまり、エレベーターマナーは“ちょっとした行動の積み重ね”で信頼を築くビジネススキルの一つなのです。
基本の順番:エレベーターに乗るとき
1. 来客・上司が優先
ビジネスの原則として、**「目上の人を先に」**が基本です。
来客や上司がいる場合、ドアが開いたら「どうぞ」と声をかけ、相手を先に乗せます。
ただし、エレベーターの操作パネルの位置によっては、臨機応変に対応する必要があります。
操作パネルが右側にある場合は、自分が先に入り、扉を押さえながら「お先にどうぞ」と促すのがスマートです。
反対に左側にある場合は、相手を先に入れて自分が最後に入るのが自然です。
2. 同僚だけの場合は年長者が先
同僚やチームメンバー同士で乗る場合も、基本的には年上や役職の高い人が先です。
ただし、混雑時などは全員がスムーズに乗れるよう柔軟に行動しましょう。
立ち位置のマナー:乗っている間の気配り
エレベーターに乗った後も、立ち位置や姿勢には注意が必要です。
「どこに立つか」で、相手への配慮が伝わります。
1. 操作パネル前は「下の立場」が立つ
エレベーターの操作パネル前は操作担当の位置です。
通常、部下や後輩、訪問側の社員が立ち、ボタン操作や開閉を担当します。
相手が先に入った場合でも、ボタンの前が空いていたら「失礼します」と一言添えてその位置に立ちましょう。
この一言があるだけで印象がぐっと良くなります。
2. お客様・上司は奥側へ
来客や上司は、一番安全で安定した位置=奥側に立ってもらうのがマナーです。
扉が開閉する位置から離れているため、安心して立てるという配慮になります。
一方で、自分(目下の立場)は扉に近い位置、もしくは操作パネル付近に立ち、操作と見送りを行うのが理想です。
降りるときの順番と対応
降りる際のマナーも、印象を左右します。
乗るときと同様、**「目上の人から先に」**が基本です。
1. 来客・上司を先に降ろす
到着したら、まず**扉が開く方向に立っている人が一歩前に出て「どうぞ」**と促します。
お客様や上司が降りたことを確認してから、自分が降ります。
もし自分が先に降りなければならない位置に立っている場合は、
「お先に失礼します」と声をかけてから降りるのが丁寧です。
2. 降りた後のドアの扱い
全員が降りる前にドアが閉まりそうな場合は、「開」ボタンを押して扉を支えることを忘れずに。
最後に降りるときは「閉」ボタンを押しながら軽く会釈して出ると、自然で上品な印象を与えます。
取引先を訪問する場合のエレベーターマナー
訪問先では、特に気を配る必要があります。
会社によってはエントランスから担当者が迎えに来るケースもありますが、その際の動き方にもルールがあります。
1. 案内された場合は「後ろ・左側」を意識
案内してもらう立場では、先方の後ろ・左側を歩き、エレベーターでも案内者より先に乗らないのがマナーです。
ただし、操作パネルが手前にある場合は「失礼します」と一言添えて先に入り、操作を担当しても問題ありません。
2. 降りるときは「案内者の指示に従う」
到着したら、基本的には案内してくれた担当者の動きに合わせること。
焦って先に降りたり、廊下で先を歩いたりするのはNGです。
控えめに行動しながらも、必要な場面でスムーズに動けると「マナーが行き届いた人」と評価されます。
乗り合わせたときの会話マナー
エレベーター内は密室空間であり、声が響きやすい場所です。
そのため、会話にも気を配る必要があります。
1. 不必要なおしゃべりは控える
特に他の会社の人や来客が同乗している場合は、私語や社内の話題は控えましょう。
周囲に聞かれて困る内容を話してしまうと、企業の信頼を損なうリスクもあります。
2. 挨拶と一言コメントで印象を良く
静まり返ったエレベーターでは、軽い挨拶や天気の話題などで場を和ませるのも好印象です。
「今日は暑いですね」「本日はお忙しい中ありがとうございます」など、短く丁寧な言葉でOKです。
エレベーターのNG行動とは?
マナーを意識していても、うっかりやってしまいがちなNG行動もあります。
以下の点には注意しましょう。
- 大声で話す、笑う
- 携帯電話を操作する
- 飲食をする
- 背中を扉に向けて立つ
- 混雑時に無理に乗り込む
- 上司やお客様より先に降りる
これらはすべて「周囲への配慮が欠けている」と見られやすい行動です。
少しの気遣いで防げることばかりなので、意識して避けましょう。
マナーを身につけるコツ
エレベーターのマナーを自然に実践するには、**「相手を思いやる意識」**が大切です。
形式的に覚えるだけでなく、
「自分が相手の立場ならどうしてもらうと嬉しいか」を考えると、行動が自然になります。
また、社内で後輩にマナーを教える立場になったときは、
単にルールを伝えるのではなく、なぜそうするのかという理由も伝えると理解が深まります。
まとめ
エレベーターのマナーは、一見小さなことのように見えますが、ビジネスの場では大きな信頼につながる要素です。
- 乗るときは目上の人・来客を優先する
- 立ち位置は操作パネル前=部下、奥側=上司・お客様
- 降りるときも「先にどうぞ」の一言を忘れない
- 会話や態度にも気配りを
- どんな状況でも「相手への思いやり」を最優先に
こうした心がけを日常的に意識することで、
あなたの印象は確実に良くなります。
エレベーターは「わずか数十秒の空間」ですが、マナー次第で信頼を積み重ねるチャンスにもなります。


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