「ご協力の賜物」の正しい意味と使い方|ビジネスで使える例文5選と注意点を解説

例文

「ご協力の賜物(たまもの)」という表現は、ビジネスメールやスピーチなどでよく使われる丁寧な言葉です。
一見、かたい印象を受ける表現ですが、感謝の気持ちを上品に伝えることができる便利なフレーズです。
しかし、意味や使い方を間違えると、相手に違和感を与えたり、不自然な日本語になってしまうこともあります。
この記事では、「ご協力の賜物」の正しい意味や使い方、そして実際にそのまま使えるビジネス例文を紹介します。
感謝を伝えるメールや挨拶文をより自然に、かつ丁寧にしたい方はぜひ参考にしてください。


「ご協力の賜物」の意味とは

「ご協力の賜物」とは、「皆さまのご協力のおかげで成果を得ることができた」という感謝を表す言葉です。

  • 「ご協力」=協力していただいたこと
  • 「賜物(たまもの)」=恩恵・成果・いただいたもの

つまり、「ご協力の賜物」は「あなた(または皆さま)の協力という恩恵で実現できたこと」を丁寧に表現した言い回しです。

使用の場面

  • 成果報告(例:プロジェクトの成功、イベントの開催など)
  • 挨拶文(例:会社の代表挨拶、会報、式典など)
  • 感謝メールや報告書の結び

「おかげさまで」のフォーマル版のような位置づけで、かしこまった文書やスピーチで多く使われます。


「ご協力の賜物」の使い方のコツ

この言葉を使うときは、「誰の協力なのか」「どんな成果につながったのか」を明確にするのがポイントです。

たとえば、
❌「この結果はご協力の賜物です」
✅「この結果は、関係各位のご協力の賜物であり、心より感謝申し上げます」

後半に「感謝申し上げます」「厚く御礼申し上げます」といった感謝の言葉を添えると、より丁寧な印象になります。

また、「賜物」は謙譲語ではなく、尊敬語に近い丁寧な言葉なので、自分の努力を指すときには使いません。
たとえば「自分の頑張りの賜物」とは言わず、「努力の成果」「努力の結果」といった表現を使うのが自然です。


「ご協力の賜物」を使った例文5選

例文①:ビジネス報告で使う場合

このたびの新製品開発の成功は、関係者の皆さまのご協力の賜物でございます。
心より感謝申し上げます。
今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

解説:成果の報告や発表会などで使いやすい定型文です。最後の「お願い申し上げます」で次につなげると、印象が柔らかくなります。


例文②:イベント・プロジェクト完了報告メール

先日の○○イベントは、皆さまのご協力の賜物として無事に終了いたしました。
多くの方々にご尽力いただき、心より御礼申し上げます。

解説:ビジネスメールでも使える文章。終了報告に「おかげさまで」を避けたいときに便利です。


例文③:社内報・会報での表現

本年度の業績向上は、社員一人ひとりのご協力の賜物と深く感謝申し上げます。
今後も一致団結してさらなる飛躍を目指してまいります。

解説:「社員一人ひとり」など、対象を明確にすると温かみが増します。社内向け文書に最適です。


例文④:お客様への感謝文で使う場合

日頃より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
本年度も順調に事業を進めることができましたのは、ひとえに皆さまのご協力の賜物でございます。

解説:取引先や顧客への挨拶文にもよく使われる形です。前半に「ご高配を賜り」を加えると、よりビジネスらしい構成になります。


例文⑤:式典や挨拶スピーチで使う場合

本日、このように盛大な式を迎えられましたのも、皆さまのご協力の賜物でございます。
改めて厚く御礼申し上げます。

解説:スピーチや挨拶の締めくくりにも使いやすく、上品で感謝の気持ちが伝わります。


「ご協力の賜物」と似た表現との違い

「ご尽力のおかげ」

→ 「ご協力の賜物」と同じく感謝を表しますが、やや具体的に「努力してくれたこと」に焦点があります。
例:プロジェクト成功は皆さまのご尽力のおかげです。

「お力添えの賜物」

→ 「協力」よりも柔らかく、支援や援助に重点を置いた表現。
例:この成果は皆さまのお力添えの賜物と感謝申し上げます。

「おかげさまで」

→ カジュアルで親しみやすい表現。ビジネスメールではやや軽く感じられる場面も。
例:おかげさまで無事に完了いたしました。

フォーマルな場では「ご協力の賜物」や「お力添えの賜物」を選ぶとより丁寧な印象になります。


「ご協力の賜物」を使うときの注意点

  1. 自分を主語にしない
     →「自分の努力の賜物」とは言わない。必ず「皆さまの」「関係者の」など、他者への感謝に使う。
  2. 「~の賜物です」で完結しない
     →感謝の言葉を続けることで文章が引き締まる。
     例:「~の賜物です。心より感謝申し上げます。」
  3. 感謝の対象を明確にする
     →「ご協力」とは誰の協力かを明示すると、相手に伝わりやすい。
  4. 繰り返しすぎない
     →一文中で「ご協力」「賜物」を多用するとくどい印象になるため、1回に留めるのが望ましい。

まとめ

「ご協力の賜物」は、感謝と敬意を丁寧に伝えられる便利な言葉です。
「おかげさまで」よりもフォーマルで、ビジネス・式典・挨拶など幅広い場面に使えます。

✅ 意味:「皆さまの協力によって得られた成果」
✅ 用法:成果報告・感謝文・挨拶文などで使用
✅ ポイント:感謝の対象を明確に、最後に「感謝申し上げます」などを添える

社会人としての品位を感じさせる言葉ですので、ぜひメールやスピーチに活用してみてください。
ちょっとした一文に「ご協力の賜物」を添えるだけで、文章全体が引き締まり、丁寧で誠実な印象を与えることができます。

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