イベントが成功したとき、その裏には協力してくれた多くの人々の支えがあります。
協賛企業、来賓、ボランティアスタッフ、関係団体などへ「ありがとう」をきちんと伝えることは、今後の良好な関係を築くうえでも非常に大切です。
しかし、「どんな言葉でお礼状を書けばいいのか」「ビジネスとして失礼のない表現が知りたい」と悩む方も多いでしょう。
この記事では、イベント協力のお礼状の書き方の基本マナーや文例を5つ紹介します。
ビジネスシーンでも使える丁寧な表現を中心にまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
お礼状を書く目的と基本マナー
お礼状の目的は、「感謝の気持ちを正式な形で伝えること」です。
特にイベント後は、感謝の気持ちとともに「協力のおかげで成功した」という成果の共有が重要です。
基本マナー
- できるだけ早く送ること
イベント終了後、2〜3日以内を目安に送付しましょう。遅くなるほど印象が薄れてしまいます。 - 感謝と成果を明確に書く
単に「ありがとうございました」ではなく、「ご協力のおかげで○○のイベントが成功しました」と具体的に伝えると印象的です。 - 今後の関係に触れる
「今後ともご指導ご鞭撻をお願い申し上げます」など、今後の関係継続を示す一文を添えると丁寧です。 - 手書きまたは署名を入れる
フォーマルな印象を与えるために、署名や直筆の一言を加えるのも効果的です。
お礼状に書くべき基本構成
お礼状の文章には、次のような構成を意識しましょう。
- 頭語・挨拶文
「拝啓」「初夏の候」「貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」など。 - お礼の言葉
イベントへの協力に対する感謝を明確に述べます。 - 成果や具体的なエピソード
どんな成果や反響があったかを簡潔に伝えます。 - 今後の関係への期待・締めの言葉
「今後とも変わらぬお付き合いをお願い申し上げます」など。 - 結語
「敬具」で締めます。
例文①:企業へのお礼状(フォーマルなビジネス文)
拝啓 秋冷の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたびは、当社主催の「○○フェスティバル」にご協賛を賜り、誠にありがとうございました。
おかげさまで多くの来場者を迎え、大変盛況のうちに終了することができました。
これもひとえに、貴社の多大なるご協力の賜物と深く感謝申し上げます。
今後とも、より一層のご支援ご厚情を賜りますようお願い申し上げます。
末筆ながら、貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます。
敬具
令和〇年〇月〇日
株式会社〇〇〇〇
代表取締役 〇〇〇〇
例文②:来賓・講師へのお礼状
拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
先日は、お忙しい中「〇〇記念イベント」にご登壇いただき、誠にありがとうございました。
ご講演では、貴重なお話をいただき、参加者からも「大変勉強になった」「感銘を受けた」との声が多く寄せられました。
今回のイベントが盛況のうちに終了できましたのも、ひとえに〇〇様のご尽力のおかげと深く感謝申し上げます。
今後ともご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
例文③:ボランティアスタッフへのお礼状
拝啓 立冬の候、皆様にはお健やかにお過ごしのこととお喜び申し上げます。
このたびの「〇〇まつり」では、ボランティアとしてご参加いただき誠にありがとうございました。
当日は気温も低く、準備や誘導など大変な作業も多かったかと思いますが、皆様のご協力のおかげで無事に終了することができました。
地域の方々からも「温かい対応で気持ちがよかった」とのお言葉をいただいております。
今後も地域を盛り上げる活動を続けてまいりますので、引き続きご支援のほどお願い申し上げます。
敬具
例文④:関係団体・協力機関へのお礼状
拝啓 師走の候、貴団体におかれましてはご隆盛のこととお慶び申し上げます。
このたびは「地域防災フェア2025」の開催にあたり、多大なるご支援とご協力を賜り、誠にありがとうございました。
貴団体のご尽力により、地域住民の防災意識向上に大きく寄与するイベントとなりました。
今後とも、災害に強い地域づくりを共に進めてまいりたいと存じます。
引き続きのご協力を賜りますようお願い申し上げます。
敬具
例文⑤:社内協力者・チームメンバーへのお礼文(社内メール例)
件名:イベント成功のお礼
〇〇部の皆様へ
先日の「社内感謝祭2025」開催にあたり、企画・運営・当日対応にご尽力いただきありがとうございました。
皆さんのチームワークと努力により、参加者からも「楽しかった」「来年も期待している」との声が多数寄せられました。
この成果は、皆さん一人ひとりの努力の結晶です。
改めて心より感謝申し上げます。
今後のイベントでも引き続きご協力をお願いいたします。
お疲れさまでした!
〇〇部 部長 〇〇〇〇
お礼状を書く際のNGポイント
お礼状では、感謝の気持ちを伝えることが目的ですが、以下の点には注意が必要です。
- 自分の功績を強調しない
「私たちの努力の結果」など、自分中心の表現は避けましょう。 - 形式だけの定型文にしない
送る相手に応じて内容を少し変えることで、心のこもった印象になります。 - ネガティブな表現を避ける
「失敗もありましたが」「至らぬ点も」などは使わず、ポジティブにまとめましょう。 - 誤字脱字に注意
ビジネス文としての信用を損なわないよう、確認を怠らないことが大切です。
感謝を伝えるタイミングと手段
お礼状は基本的に郵送またはメールで送ります。
以下の基準で使い分けるのが効果的です。
- 企業・団体・来賓などフォーマルな相手:封書または印刷+署名入り文書。
- 社内・取引先担当者などカジュアルな相手:メールでの送付でも可。
- 特に親しい関係・地域イベントなど:手書きのメッセージカードもおすすめです。
まとめ
イベントの成功は、多くの人々の支えによって成り立っています。
お礼状はその感謝を「形」にする大切なビジネスマナーです。
感謝の気持ちを伝えることで、相手との信頼関係が深まり、次の協力や取引へとつながることも少なくありません。
形式ばらずとも、「あなたのおかげで成功できた」という一文を添えるだけで、相手の心に届くお礼状になります。
この記事で紹介した例文を参考に、ぜひ心のこもったお礼状を作成してみてください。


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