現場の安全や品質向上を目指すために掲げられる「スローガン」。
短い言葉の中に、チームの意識をひとつにする力があります。
しかし「毎年同じになってしまう」「印象に残る言葉が浮かばない」と悩む担当者も多いのではないでしょうか。
この記事では、建設・製造・物流などさまざまな現場で使えるスローガン例を紹介しながら、効果的な作り方のポイントも解説します。
現場の安全意識を高めたい方、年度初めや安全大会の準備をしている方は、ぜひ参考にしてください。
現場スローガンとは?目的と役割を理解しよう
現場スローガンとは、現場で働く全員が共有する「目標」や「意識」を短い言葉で表したものです。
安全・品質・効率・チームワークなど、現場ごとに重点テーマを設定して作られます。
主な目的は次の3つです。
- 意識統一:全員が同じ方向を向くための合言葉になる。
- 安全意識の向上:日常業務の中で危険を予防する意識を高める。
- モチベーション維持:やる気や責任感を喚起し、チームの士気を上げる。
スローガンは単なる「飾り」ではなく、毎日の行動を変える「言葉の力」です。
現場に掲示するだけでなく、朝礼や安全大会、報告会などでも繰り返し使うことで効果が高まります。
現場スローガンの作り方のポイント
良いスローガンを作るためには、以下の3つの視点を意識しましょう。
①「誰に伝えるか」を明確にする
スローガンは現場のメンバーに向けたメッセージです。
例えば「新人が多い職場」では「基本を守る」ことを強調し、「ベテラン中心の現場」では「慢心防止」や「挑戦」をテーマにするのが効果的です。
②短く、覚えやすく
長すぎるスローガンは印象に残りません。
10文字〜20文字程度で、語感のよいリズムを意識すると記憶に残りやすくなります。
③前向きな言葉を使う
「〜しないように」という否定形よりも、「〜しよう」「〜を目指そう」といった前向きな表現が理想です。
明るく前進する印象を与えることで、チームの雰囲気も良くなります。
安全意識を高める現場スローガン例(建設・製造業)
安全に関するスローガンは、最も多くの現場で使われるテーマです。
以下は、事故防止・労災ゼロを目指す言葉の例です。
- 安全はすべてに優先する
- 慣れた作業にこそ危険あり
- 声かけ合って守る安全
- 一人一人が安全の主役
- ヒヤリを防げばケガもゼロ
- 見る・聞く・感じる危険予知
- 安全作業は心のゆとりから
- 危ないと思ったらすぐ止める勇気
- 今日も無事故で「おかえりなさい」
- 安全第一、健康が一番の財産
これらの言葉は、現場の入り口やヘルメットステッカーに掲げても効果的です。
品質・生産性向上を意識したスローガン例
品質は企業の信頼を守る要です。
現場のひとつひとつの作業が品質に直結することを意識させるスローガンが効果的です。
- 手を抜かず、心を込めて一工程
- 品質は現場の誇り
- 小さなミスが大きな損失
- 良い製品は良い習慣から
- 点検・確認・再確認
- 品質はチェックで決まる
- 今日も一歩、品質向上
- 正確・丁寧・確実を徹底
- 不良ゼロへの挑戦を続けよう
- 品質で選ばれる企業に
これらのスローガンは、製造・整備・物流など幅広い業種で応用可能です。
チームワーク・コミュニケーションを意識したスローガン例
良い現場には、良いチームワークがあります。
お互いを思いやる言葉が、事故防止や生産性向上にもつながります。
- 声を掛け合い、支え合う現場
- 一人より、みんなの力で前進
- 協力・連携・信頼が力になる
- 「ありがとう」でつながる職場
- 目配り・気配り・思いやり
- 相談しやすい雰囲気づくり
- 助け合いが安全を守る
- チームの力でゼロ災を達成
- 報連相は信頼の基本
- 一丸となって未来を築く
5S・整理整頓をテーマにしたスローガン例
整理・整頓・清掃・清潔・しつけの「5S」は、現場の基本中の基本です。
5Sを意識づけるスローガンを掲げることで、日々の行動改善につながります。
- 整理整頓は安全の第一歩
- 探さない職場、汚さない現場
- モノを探す時間をゼロにしよう
- 5Sの徹底が品質を守る
- キレイな現場にミスはない
- 片づけ上手は仕事上手
- 清潔な環境で気持ちも清く
- 整理・整頓・清掃で効率UP
- 汚れに気づく、改善に気づく
- 「使ったら戻す」が信頼を作る
やる気・士気を高める前向きなスローガン例
現場を元気にするためのスローガンも効果的です。
特に年度初めや朝礼、掲示物に向いています。
- 今日も一歩、昨日より前へ
- 全員で挑戦、全員で達成
- できる方法を考える
- 小さな努力が大きな成果
- 継続は力なり、挑戦は未来なり
- 一歩先を読む行動を
- 諦めない心が結果を変える
- やる気が現場を変える
- 困難の先に成長あり
- 安全・品質・効率、すべては意識から
スローガンを現場で浸透させる工夫
せっかく良いスローガンを作っても、掲げただけでは意味がありません。
現場に浸透させるためには、次のような工夫が効果的です。
- 朝礼で唱和する:毎朝全員で声に出すことで、自然と意識に定着します。
- 掲示場所を工夫する:出入口・タイムカード周辺・休憩所など、必ず目に入る場所に掲示。
- 月替わりスローガンにして飽きさせない工夫をする。
- 表彰制度を設け、「スローガン実践者」を称える。
- 新人教育やKY(危険予知)活動に取り入れる。
スローガンは“現場文化”として定着させることが大切です。
オリジナルスローガンを作るテンプレート
自社や現場の状況に合わせてスローガンを作ると、より共感が得られます。
以下のテンプレートを参考にしてください。
- 「○○して○○を守る」
例:確認して安全を守る - 「○○は○○の第一歩」
例:整理整頓は安全の第一歩 - 「○○で○○を目指そう」
例:チームの力でゼロ災を目指そう - 「○○しよう、○○のために」
例:声を掛け合おう、仲間のために
リズム感を意識し、短く覚えやすい言葉にするのがコツです。
まとめ
現場スローガンは、単なる合言葉ではなく「現場の文化」を作る言葉です。
安全・品質・チームワークなど、現場ごとの課題に合わせて工夫することで、社員一人ひとりの意識が変わります。
スローガンを掲げることで、職場の雰囲気が引き締まり、目標に向かって一体感が生まれます。
あなたの現場でも、ぜひオリジナルのスローガンを考えて、日々の活動に活かしてみてください。


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