ビジネスの現場で最も基本的でありながら、意外と奥が深いのが「挨拶」です。
特に、挨拶の順番や立ち位置、言葉遣いのマナーを間違えると、相手に失礼な印象を与えてしまうことがあります。
商談、来客対応、上司への報告など、場面によって正しい順番は微妙に異なります。
本記事では、ビジネスでの挨拶マナーの基本と、シーン別の正しい順番をわかりやすく解説します。
新人社員やリーダー職の方はもちろん、改めてマナーを見直したい方もぜひ参考にしてください。
ビジネスで挨拶が大切な理由
ビジネスにおいて挨拶は、単なる礼儀ではなく「信頼関係の第一歩」です。
初対面の印象は数秒で決まると言われており、最初の「おはようございます」「お世話になっております」がその後の人間関係に影響します。
挨拶には次のような効果があります。
- 相手への敬意を示す
- コミュニケーションのきっかけを作る
- 職場全体の雰囲気を良くする
特に職場では、上司・部下・同僚・取引先など立場の異なる人が集まっています。
そのため、「誰から挨拶するのが正しいのか」という順番のマナーを理解しておくことが大切です。
基本の挨拶の順番:立場による違い
1. 目下(部下・後輩)から目上(上司・先輩)へ
ビジネスマナーの基本は、立場の下の人から挨拶することです。
これは「相手に敬意を示す」という意味があります。
たとえば、朝の出社時には以下のような順番が理想です。
- 部下 → 上司
- 新入社員 → 先輩社員
- 後から出社した人 → 先に出社していた人
例文:
- 「おはようございます、本日もよろしくお願いします。」
- 「お疲れさまです、先に失礼します。」
目上の人が気持ちよく返せるように、明るく・はっきりと挨拶することを意識しましょう。
来客・訪問時の挨拶の順番
ビジネスの場で特に間違いやすいのが、「来客時の挨拶の順番」です。
社外の人との関係性を表すため、ここでのマナーが企業の印象を大きく左右します。
1. 来客を迎える場合(自社に相手が来るとき)
- 社内の人間が先に挨拶をするのが基本。
- 立場の低い方から順に「ようこそお越しくださいました」と挨拶します。
流れの例:
- 受付または担当者が入口で「いらっしゃいませ」と出迎える
- 会議室まで案内し、「お待たせしました」「本日はお越しいただきありがとうございます」と挨拶
- 着席を勧める際は、「どうぞこちらにおかけください」と相手を先に座らせる
2. 訪問する場合(自分が相手の会社に行くとき)
訪問時は、訪問者側が先に挨拶するのがマナーです。
ドアをノックして入室し、姿勢を正して一礼します。
例文:
- 「○○株式会社の△△と申します。本日はお時間をいただきありがとうございます。」
退室時も丁寧に一礼し、「本日はありがとうございました。失礼いたします」と伝えましょう。
名刺交換時の挨拶と順番
名刺交換も「挨拶の一部」と考えられます。ここでも順番を間違えると印象が悪くなります。
正しい流れ
- 訪問者(来社した側)から先に名刺を差し出す
- 名刺は両手で渡し、相手の名前を確認して復唱する
- 相手より低い位置で受け取る
- 名刺を受け取ったら一礼して、「いただきます」と丁寧に言葉を添える
例文
- 「○○株式会社の△△と申します。よろしくお願いいたします。」
- 「○○様のお名前を拝見いたしました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。」
相手が複数いる場合は、役職の高い人から順に挨拶し、名刺交換もその順番に合わせます。
電話・オンライン会議での挨拶の順番
電話の場合
電話では、かけた側が先に名乗るのが鉄則です。
例文:
- 「お世話になっております。○○株式会社の△△と申します。」
相手の会社名や名前を確認したら、「いつもありがとうございます」「本日は○○の件でお電話いたしました」と続けると印象が良くなります。
オンライン会議の場合
オンラインでは、画面越しのため特に第一声とタイミングが大切です。
- 主催者が最初に「本日はお忙しい中お集まりいただきありがとうございます」と挨拶
- 続いて参加者が「よろしくお願いいたします」と順に頭を下げる
マイクのオン・オフのタイミングにも注意しましょう。相手の発言中に被らないようにするのがマナーです。
社内での挨拶マナーと順番
社内でも、シチュエーションによって挨拶の順番が異なります。
朝の挨拶
- 先に出社している人に、後から来た人が「おはようございます」と声をかける
- 同僚同士でも、軽く会釈を添えると印象が良い
外出・退勤時
- 外出するときは「行ってまいります」、上司には「○○の件で外出してきます」と一言添える
- 退勤時は「お先に失礼します」、返答は「お疲れさまでした」
これらを自然に言えると、職場全体の空気が明るくなります。
シーン別・挨拶の正しい順番まとめ
| シーン | 挨拶する順番 | ポイント |
|---|---|---|
| 出社時 | 下の立場から上の立場へ | 明るく元気に |
| 来客対応 | 迎える側が先に挨拶 | 敬意を込める |
| 訪問時 | 訪問者が先に挨拶 | 名乗りを忘れずに |
| 名刺交換 | 訪問者 → 役職の高い人から順 | 両手で丁寧に |
| 電話 | かけた側から名乗る | 社名+名前+目的 |
| 退勤時 | 先に帰る人が挨拶 | 「お先に失礼します」 |
やってはいけない挨拶のNG例
- 声が小さくて聞こえない
→ 自信がない印象になる - 相手の目を見ずに挨拶する
→ 不誠実に見える - 順番を間違えて上司を後回しにする
→ 礼儀を知らない印象になる - スマホを見ながら挨拶する
→ 社会人として失礼
ちょっとした態度の違いが、信頼度を左右します。
まとめ
ビジネスでの挨拶は、相手への敬意と信頼を表す最も基本的なマナーです。
正しい順番で挨拶することで、相手に「この人は感じが良い」「礼儀正しい」と思ってもらえます。
- 立場の低い人から先に挨拶
- 訪問時は訪問者が先に名乗る
- 退室や退勤時も必ず挨拶で締める
これらを意識するだけで、あなたの印象は大きく変わります。
今日からぜひ、挨拶の順番を意識して行動してみてください。


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